裁判実績

当事務所は、裁判の対応にこだわりをもって取り組んでおります。裁判の実績の一例として、代表弁護士上田瑞尊が担当した裁判のうち、判例データベース「Westlaw JAPAN」に掲載されている裁判例の一部をご紹介します。

東京都に対する損害賠償請求が認容された事例

平成27年10月26日
東京地裁 事件番号 平成26年(ワ)第30104号
事件名 国家賠償請求事件
代理した当事者 原告

要旨

原告の父は地方税法が規定する住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税の特例が適用されるべき土地を所有していたところ、平成11年度から平成21年度まで都税事務所長が同土地に特例を適用しなかったため、固定資産税及び都市計画税を過剰に納付させられたことにつき、当該過納付に係る本件父の被告都に対する損害賠償請求権を相続した原告が、被告都に対し、同過納付相当額の損害賠償を求めた事案。
本件都税事務所長には、本件課税処分に当たり、被告都の担当職員において通常尽くすべき職務上の注意義務を尽くしていなかった過失があったと認めた上で、消滅時効に係る被告都の主張を損害および加害者を知った時から3年間が未だ経過していないとして排斥する一方、本件父において、従前の 特例適用が何ら事情変更なく不利益に変更されたことを容易に知り得たとして、1割の過失 相殺を行い、原告の請求を一部認容した。

原野商法とその事業者側の関係者の責任

平成30年3月12日
東京地裁 事件番号 平27(ワ)15756号・平29(ワ)26434号
事件名 損害賠償請求事件(第1事件)、損害賠償請求事件(第2事件)
代理した当事者 原告

要旨

原告が、被告会社従業員の被告Y5から勧誘され、同社との間で、亡父Aを代理してA所 有の土地1ないし4を売り土地5を買う第1取引をし、Aの死後は同社との間で土地5を売り土地6を買う第2取引、土地7ないし10を買う第3取引をしたところ、各取引は土地の価値につき誤った認識をさせるもので違法であるとして、被告会社、被告Y5及び同社役員らに対し不法行為又は会社法429条1項による損害賠償を求め(第1事件)、当時の被告会社代表者B主導による組織的不法行為又はBの監督義務懈怠を理由に、Bの相続人らに対し同様に損害賠償を求めた(第2事件)事案において、本件各取引のうち第2取引については被告Y5の販売活動が不法行為を構成するから被告会社は使用者責任を負い、また、同社役員らは法令順守監督義務の懈怠により会社法429条1項の賠償責任を負うとする一方、過失相殺をいう被告らの主張を退け、各請求を一部認容した。

破産者が出資した投資ファンドに関し、投資ファンド側関係者の不法行為責任が肯定された事例

平成29年10月3日
東京地裁 事件番号 平28(ワ)4437号
事件名 損害賠償請求事件
代理した当事者 原告

要旨

被告会社が適格機関投資家等特例業務として行う本件ファンドへの出資金等の名目で同社 に対して金員を支払った本件破産者の破産管財人である原告が、同ファンドは詐欺的商法であるなどと主張して、被告会社及び当時同社の代表取締役であった被告Y1に対し、連帯での損害賠償を求めた事案において、被告Y1が本件ファンドには適正なファンドとしての実態がないにもかかわらず、あたかも適正なファンドであって、その運用状況に応じてその利益及び損失を出資者に分配するものであるかのように装って説明をするなどし、本件破産者をしてその旨誤信させて投資契約を締結させ、同契約に基づいて投資をさせたことは不法行為を構成するなどとして、被告らは連帯して損害賠償責任を負うとした上で、被告会社から本件破産者への支払は被告らによる反倫理的行為に係る給付であって、原告の損害額から控除すべきでないとしたほか、本件破産者に一定の過失があったことは否定し難いが被告Y1による不法行為に基づく損害賠償の金額を算定するに当たり、本件破産者の過失を考慮することは相当ではないとして、請求を全部認容した。

内縁関係の相手方のために支出した費用に関する相手方の相続人への請求の可否

平成29年2月28日
東京地裁 事件番号 平27(ワ)11309号・平27(ワ)26700号
事件名 立替金等請求事件
代理した当事者 被告

要旨

原告が、亡Aの相続人である被告Y1に対し、亡Aと内縁関係にあった間に同人名義の保 険の保険料等を立替払するなどして費用を負担したとして、亡Aとの合意又は事務管理の費用償還請求権に基づき、各金員の支払を求める(第1事件)とともに、亡Aの父である亡Bは原告の立替払した保険料等の一部に相当する額を支払う旨承諾したとして、亡Bの相続人である被告Y2及び被告Y3に対し、同金員の支払を求めた(第2事件)事案において、原告と亡Aとの間で原告主張の合意をしたとしても、同合意は夫婦財産契約に当たり、少なくともその旨の登記がなされていないことから、これを被告Y1に対抗することはできないとし、また、亡Aの保険料等は夫婦生活を維持するために必要な費用であること等から、事務管理の成立も否定して、第1事件に係る請求を棄却するとともに、原告と亡Bとの間で原告主張の合意がなされたとは認められないなどとして、第2事件に係る請求も棄却した。

第三者によるクレジットカードの不正使用を理由に、信販会社のカード名義人に対する立替金請求が棄却された事例

平成28年9月2日
東京地裁 平27(ワ)18769号・平27(ワ)22479号
事件名 立替金請求本訴事件、損害賠償請求反訴事件
代理した当事者 被告

要旨

クレジットカード利用契約(本件契約)に基づいて被告に本件カードを貸与した原告会社 が、被告に対し、同カードの使用に係る飲食代金(本件売上分)の立替払金等の支払を求め た(本訴)ところ、被告が、原告会社に対し、同社が支払督促申立てを行ったことにより精 神的苦痛を被ったとして、慰謝料等の支払を求めた(反訴)事案において、請求原因事実で ある「本件売上分の売上処理につき本件カードが使用されたこと」を認めるためには、外形 的に本件カードが本件店舗に提示され、売上伝票に被告の氏名が記載されるとともに、本件 店舗において所定の売上処理がされたことの立証をもって相当と解するべきであるなどとして、本訴請求に係る請求原因事実をいずれも認めた上で、本件契約に係る会員規約の本件条項は会員の意思に反してカードが不正に使用された場合についても適用されると判断するなどして、本件条項による被告の免責を認め、本訴請求を棄却するとともに、本件支払督促申立てにつき不法行為及び債務不履行は成立しないとして、反訴請求も棄却した。
掲載誌 消費者法ニュース110号131頁

違法な社債の販売とその販売に関与した関係者の責任

平成28年3月28日
東京地裁 事件番号 平27(ワ)4072号
事件名 損害賠償請求事件
代理した当事者 原告

要旨

本件会社の従業員である被告Y1及び被告Y2から勧誘を受けて同社の社債を購入した原 告が、被告らに対し、本件社債の大部分の償還がされていないことについて、主位的に、そもそも本件会社による社債販売が実態のない詐欺行為であり、購入を勧誘した被告らは詐欺行為に加担したものであると主張して、予備的に、詐欺行為でないとしても、原告に対する勧誘方法・態様として、適合性原則違反又は説明義務違反があると主張して、連帯しての損害賠償を求めた事案において、本件会社及びその代表取締役については詐欺による故意の不法行為の成立が認められるところ、原告の妻に対する本件各社債の勧誘当時、被告らは、本件会社の詐欺行為について、故意があったとまでは認められないが、確認を怠ったことについて過失があったとして、不法行為責任を認めた上で、利息の支払が不法原因給付に当たるとまでは認められないとして、社債購入代金からの控除を認めたほか、原告及びその妻の過失割合を2割と認定するなどして、請求を一部認容した。

デート商法による投資用マンションの販売とその販売に関与した関係者の責任

平成28年3月1日
東京地裁 事件番号 平25(ワ)13931号
事件名 不当利得返還等請求事件
代理した当事者 原告

要旨

ウェブサイトを通じて知り合った被告Y1の勧誘により投資用マンションである本件物件 を購入した原告が、同勧誘は被告Y1との交際をほのめかしながらされた詐欺的なデート商法であり、また、断定的判断の提供、不実告知又は不利益事実の不告知を伴うものであったなどと主張して、被告Y1に対しては不法行為に基づき、同人の勤務先であった被告Y2社に対しては使用者責任等に基づき、同社の代表取締役である被告Y3に対しては役員等の任務懈怠責任に基づき、本件物件の売主である被告Y4社に対しては共同不法行為等に基づき、同社の代表取締役であった被告Y5に対しては役員等の任務懈怠責任に基づき、本件物件の代金相当額、慰謝料及び弁護士費用相当額等の支払を求めるなどした事案において、本件売買契約に係る原告の意思決定を誤らせた被告Y1の勧誘行為は不法行為に該当するとし、また、被告Y2社の使用者責任を認める一方、その余の被告らの各責任を否定した上で、本件物件の代金相当額から同物件の取得によって得た利益相当分を控除するなどして原告の損害を認定し、請求を一部認容した。

外国の不動産使用権の勧誘販売の詐欺該当性と関係者の責任

平成26年3月28日
東京地裁 事件番号 平24(ワ)36067号
事件名 損害賠償請求事件
代理した当事者 原告

要旨

昭和7年生まれの女性である原告が、被告U社に対してカンボジアの不動産使用権の購入 代金として金員を支払わされたことにつき、いわゆる劇場型詐欺であったなどと主張して、 被告らに対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、被告らの行為は詐欺に該当し、仮に、本件不動産使用権が実態のあるものであったとしても、かかる行為は社会的相 当性を逸脱する違法な勧誘であって不法行為に該当する旨判断し、請求を認容した。

部下らの行為や勤務先の対応を巡る上司の部下らや勤務先に対する損害賠償請求が否定された事例

平成23年6月20日
東京地裁 事件番号 平22(ワ)9036号
事件名 損害賠償請求事件
代理した当事者 被告

要旨

女性医師である原告が、同人の部下である被告Y2に対するセクハラ嫌疑に係る部下や被 告協会の不当な対応、業務妨害、部下である被告Y3及び被告Y4の原告に対する暴言や院 長への虚偽申告等を主張して、被告ら及び被告協会に対し、不法行為に基づく損害賠償請求 をした事案について、原告が被告Y2の流産の事実を告げたことにつき、被告協会が行った 事情聴取は聴取者の構成や人数の点で原告に対する配慮に欠ける点があるが、全体でみて不法行為を構成するとはいえなし、被告Y2が病理検査業務を行わなかったことや、被告Y3及び被告Y4の発言などが不法行為を構成するとはいえず、同被告らによる虚偽申告等の事実は認められないなどとして、原告の請求を全て棄却した。

建物賃貸借契約における更新料の特約が消費者契約法10条に違反しないとされた事例

平成22年2月22日
東京地裁 事件番号 平21(ワ)23465号
事件名 建物明渡請求事件
代理した当事者 原告

要旨

被告Y1に本件建物を賃貸している原告が、被告Y1の賃料不払により、賃貸借契約は解除されたとして、被告Y1に対し、本件建物の明け渡しを、被告Y1及び連帯保証人の被告Y2に対し、賃料相当損害金等を請求したところ、被告らは、賃貸借契約の特約に基づき、本件賃貸借契約の5回の更新の際に、原告に対し、更新料を支払ってきたところ、本件特約 は消費者契約法に反し無効であるから、更新料について不当利得返還請求権を有するのであり、この不当利得返還請求権を自働債権として、原告の本件滞納賃料等の請求権を受働債権として相殺すると主張して争った事案において、本件賃貸借契約における更新料の額は、更新後の賃料の1か月分にすぎず、更新後の契約期間が2年間であることにかんがみると、実質的に当該契約期間に賃借人が支払う総賃料額の4%にすぎないのであるから、その有効性を認めたとしても、名目上の賃料を低く見せかけ、情報及び交渉力に乏しい賃借人を誘引するかのような効果が生じるとは認められないのであり、本件において消費者契約法10条違反はないなどとして、被告らの主張を認めずに、原告の請求を認容した。

東京都世田谷区太子堂2-7-2
リングリングビルA棟3階

3つの特徴

裁判対応へのこだわりと理系的発想の活用等

相談の流れ
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